幼児期に最も多いのは、ナッツアレルギー!?
こんにちは、カーサファミリークリニックです。
最近、おこさんのナッツアレルギーが増えていることについて、詳しく解説します!
ナッツアレルギーとは?
ナッツアレルギーとは、ナッツ(木の実)を摂取したあとに免疫反応が過剰に起こり、皮膚、呼吸器、消化器などに症状を引き起こす疾患です。アナフィラキシーを起こしやすいアレルギーの一つです。
原因となるナッツには、以下のような種類があります。
- くるみ
- カシューナッツ
- ピスタチオ
- アーモンド
- ヘーゼルナッツ
- マカダミアナッツ
- ブラジルナッツ
- カカオ など
ピーナッツ(落花生)は豆科の植物のため分類上は別ですが、まれに交差反応(ある物質にアレルギーがある人が、別の似た物質にも反応してしまうという現象)を起こすこともあります。
特に、カシューナッツアレルギーの方がピスタチオを食べると症状が出やすく、クルミアレルギーがあるとペカンナッツで症状がでやすいため、注意しましょう。
ナッツアレルギーの現状と増加傾向
木の実類(ナッツ類)は即時型食物アレルギーの約13.5%を占めています。上位3大原因(卵・牛乳・ナッツ)に含まれるほど、近年注目されています。
中でもくるみによるアレルギーが増加しており、木の実類アレルギーの約半数(56.5%)を占めています。
年齢別にみると、
- 1〜2歳では第2位(24.3%)・・鶏卵の次に多い!
- 3〜6歳では第1位(41.7%)・・一番多い!!
- 7〜17歳で第は第2位(19.7%)
幼児期・学童期を通じて上位原因に挙げられています。
これは、ナッツの摂取機会が増えたこと、早期診断技術の進歩なども背景と考えられます。
ナッツアレルギーの症状
症状は個人差がありますが、以下のようなものが多くみられます。
- 口や喉のかゆみ、腫れ
- じんましん、皮膚の赤み
- 嘔吐、腹痛、下痢
- 咳、ゼーゼー、呼吸困難
- 血圧低下、意識障害(アナフィラキシー)
ナッツは少量でも症状が出ることが多く、アナフィラキシーを起こしやすい食物のひとつです。
検査と診断
診断は以下の方法で行います。
血液検査が陽性でも、実際に症状が出るのか、どのくらいの症状が出るのかはわかりません。医師のもとで慎重に評価することが大切です。
食物経口負荷試験を受けることで、
- 本当にナッツアレルギーなのか
- 実際に食べることができるのか
- どのくらいの量を食べることができるのか
を、クリニックや病院で安全に確認することができます。
治療と診断後の対応
ナッツアレルギーの治療は、基本的には原因食物の除去が中心です。
また、アナフィラキシーと診断された場合には、アドレナリン自己注射薬(エピペン®)を処方する場合もあります。
除去していればよいのか?
上で説明した通り、原則的には原因食物を除去します。特に、少量で症状が出てしまう方、アナフィラキシーになったことがある方はしっかりと除去対応が必要です。
しかし、食物アレルギーは食べたほうが治りやすいことがわかっています。
そこで、食物経口負荷試験で少量でも食べられるようになると、以下のようなメリットが生まれます。
- 食べられる量を食べておくと、アレルギーが治りやすくなる。
- ある程度食べられるようになれば、ナッツ入りのお菓子や加工品も食べられるようになる。
- 食べられる食品が増えれば、本人と家族の食事の選択肢が多くなり、生活の制限も少なくなる。
医師の診断・指示の下で、アレルギー症状が出ない量(少量)を食べていくことが重要です。自己判断でアレルギー食物を食べることはやめましょう。
また、お子さんが成長すると、保護者の方の目が届かない場所で過ごす時間が増えていきます。
そのため、アレルギーによる食事制限が多いと、学校生活やお友だちとの関わりの中で大変なことが増えるかもしれません。
幼児期のうちに食物経口負荷試験を受けておくことで、食べられる範囲を早めに確認し、将来の生活の制限を減らすための対策ができる可能性があります。
※乳幼児にナッツをそのままの形で与えると誤嚥(窒息)の危険性があります。幼児では気道が細く、噛む力も未熟なため、粒のまま食べるのは絶対にやめましょう。安全に食べさせるためには、細かく砕く(パウダー状やペースト状)、砕いたものをお菓子や料理に混ぜる(パンケーキやヨーグルトなどに)といった工夫が必要です。
まとめ
ナッツアレルギーは、近年幼児期から学童期にかけて非常に増加傾向にあり、特にくるみが主な原因となっています。
アナフィラキシーを起しやすいため、早めの診断・検査が大切です。食物経口負荷試験をうけることで、幼児期・学童期から早めの対策ができるでしょう。
当院では、アレルギー専門医による診察で、少量からの食物経口負荷試験を実施しています。西葛西周辺の保育園・幼稚園・小学校に通うお子様のアレルギー管理についても、お気軽にご相談ください。
参考文献
- 令和4年度 アレルギー疾患に関する調査報告書(文部科学省)
- 消費者庁 食物アレルギー表示に関する調査研究報告書(令和3年度)
- 日本小児アレルギー学会 食物アレルギー診療ガイドライン2021
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この記事を書いた人
三浦 陽子|カーサファミリークリニック 副院長
小児科専門医・指導医・アレルギー専門医・医学博士
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