同時接種って大丈夫?小児科医が正直に答えます
「一度に何本も打って、赤ちゃんの体に負担がかかるんじゃないか」――そんな心配、当然です。
生後2ヶ月の初めての接種で、4本ものワクチンを同時に打つと聞いて驚くパパ・ママは少なくありません。「一本ずつのほうが安心では?」と思うのは、親として自然な感覚です。
この記事では、同時接種の安全性と、なぜ推奨されているのかを医師の立場から正直にお伝えします。
そもそも「同時接種」とは?
同時接種とは、1回の受診で複数のワクチンを接種することです。たとえば生後2ヶ月の初回では、五種混合・小児用肺炎球菌・B型肝炎・ロタウイルスの4種類を同じ日に接種します。
「同時に打つ=混ぜて打つ」ではありません。それぞれ別々に、異なる部位に接種します。混合ワクチン(五種混合など)はあらかじめ製剤として組み合わされたものであり、同時接種とは別の話です。
安全性は確認されているの?
結論から言うと、同時接種の安全性は世界的に確認されています。
WHOや日本小児科学会も同時接種を推奨しており、アメリカやヨーロッパでは数十年にわたって日常的に行われてきました。日本でも2011年以降、同時接種が広く普及し、多くの赤ちゃんが安全に接種を受けています。
「免疫システムに負担がかかるのでは?」というご心配もよく聞きます。しかし赤ちゃんの免疫システムは、生まれた瞬間から無数の細菌やウイルスにさらされており、複数のワクチンを同時に処理する能力は十分に備わっています。4-5種類程度のワクチンは、赤ちゃんの免疫にとって過負荷にはなりません。
なぜ同時接種が推奨されているの?
理由① 早く免疫をつけるため
生後2〜6ヶ月は「免疫の谷間」と呼ばれ、感染症にかかりやすい時期です。一本ずつ間隔を空けて接種していると、免疫がつく前に感染するリスクが高まります。同時接種で一気に免疫をつけることが、赤ちゃんを守る最善の方法です。
理由② 受診回数を減らせる
乳幼児期は接種すべきワクチンの数が多く、一本ずつ打っていると1年間で10回以上クリニックに通うことになります。同時接種によって受診回数を大幅に減らすことができ、パパ・ママの負担も軽くなります。
理由③ 赤ちゃんが注射を受ける回数が減る
受診回数が減るということは、赤ちゃんが注射の痛みを経験する回数も減るということです。同時接種のほうが赤ちゃんにとっても優しい選択といえます。
副反応は増えるの?
同時接種をすると副反応が増えるのでは、と心配される方もいますが、同時接種により副反応が増えることはありません。
接種後に発熱や接種部位の腫れが起きることはありますが、これらは免疫がしっかり働いているサインです。複数のワクチンを同時に接種したからといって、副反応が重くなるというデータはありません。むしろ、受診回数が減ることで、発熱が起きてしまう機会を減らせるメリットがあります。
一本ずつ接種したい場合は?
「どうしても不安で、一本ずつにしてほしい」というご希望もお受けしています。ただし、その場合はスケジュールが大幅に後ろ倒しになり、免疫がつくまでの期間が長くなることをご理解ください。
同時接種に不安を感じている場合は、接種前にご相談いただければ、ひとつひとつ丁寧にご説明します。「なんとなく怖い」という気持ちのまま接種を受けるよりも、納得した上で臨んでいただくことを大切にしています。
まとめ
- 同時接種は世界的に安全性が確認されており、日本小児科学会も推奨している
- 赤ちゃんの免疫システムは複数のワクチンを同時に処理できる
- 早く免疫をつけ、受診回数・注射回数を減らせるメリットがある
- 不安なことがあれば、接種前にいつでもご相談を
はじめてのワクチン接種は、パパ・ママにとっても緊張するものです。わからないこと、心配なことは何でもカーサファミリークリニックにお気軽にお声がけください。
カーサファミリークリニック
内科・小児科・アレルギー科|葛西・西葛西(江戸川区)
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この記事を書いた人
三浦 陽子|カーサファミリークリニック 副院長
小児科専門医・指導医・アレルギー専門医・医学博士
国立病院機構相模原病院にて8年間、小児アレルギーの診療・研究に従事。
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