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思春期によくある「動悸」や「胸の痛み」——こんなとき、どうすればいい?

[2025.05.01]

当院は小児科と内科・循環器を標榜しており、小学生~高校生の思春期の患者様もよく来院されます。

思春期は、体の成長やホルモンの変化、自律神経の不安定さなどから、動悸や胸の痛みを感じることが珍しくありません。
「心臓の病気では?」「検査をした方がいいの?」と不安になる保護者の方も多くいらっしゃいます。

そのため、思春期に感じる「動悸」や「胸の痛み」に関して、ご本人や親御さんが安心して検査や診察が受けれるクリニックにしたいと考えています

 よくある症状の一例

  • 安静にしているときに急にドキドキする

  • 1日に何度も脈が飛ぶ感じがする

  • 胸の奥がズキッと痛む、締めつけられる感じがする(一瞬だけ)

  • 運動中や直後に胸が苦しくなる

  • 胸の痛みで学校を休むことがある

  • ふらつき・立ちくらみ・頭痛・倦怠感がある

 思春期に多い診断や原因

以下は思春期によく見られる動悸や胸痛の原因です。ほとんどは一過性で良性のものであり、重篤な心疾患であることは稀ですが、注意が必要なケースもまれにあります。

■ よくある診断・病態

主な病態 特徴・症状 備考
期外収縮(上室性・心室性) 脈が一瞬飛ぶ、ドキッとする感じ 多くは良性だが、頻度や持続する場合に注意
洞性頻脈 緊張時や運動時の脈拍増加 自律神経の変化によることが多いです
起立性調節障害(OD) 動悸+立ちくらみ・疲労感 中学生〜高校生に多く、自律神経失調の一種
心因性(ストレス関連) 精神的緊張で動悸・胸痛 ストレスとの関連が見られます
肋間神経痛 呼吸や動作で痛みが増強 運動や姿勢による一過性の胸痛が多い
不整脈・先天性心疾患・心筋症など 動悸・胸痛に加え失神・家族歴あり

頻度は低いですが、見逃してはいけない疾患です

前胸部キャッチ症候群 鋭く突き刺すような強い痛み

数秒~数分持続。深呼吸で少し楽になる。左に多い。

気胸 片側の突然の痛みと呼吸苦

肺に穴が開く病気で、長身でやせ型の男性に見られやすいです

 このような症状があれば、一度ご相談してください

  • 運動時に胸が痛くなったり苦しくなる

  • 突然意識を失った、あるいはその直前に動悸を訴えた

  • 安静時でも動悸や胸痛が長引く

  • ご家族に若年性の心疾患や突然死の方がいる

  • 学校生活に支障をきたすほどの症状がある

 当院で行える検査・評価

当院では以下のような心臓の精密検査を実施し、症状の原因を丁寧に評価します:

  • 心電図
     数秒の心拍を記録し、リズムや電気信号の異常を確認します。

  • 24時間ホルター心電図
     症状のタイミングで不整脈が起きていないかを調べます。外した日にその場で解析結果をお伝え出来ます。

  • 心エコー
     心臓の大きさ・形・弁の動きなどをリアルタイムで確認します。

  • レントゲン 
     肺に穴が開く気胸であればレントゲンで診断が可能です。

 

思春期の「動悸」「胸の痛み」の症状の多くは成長に伴って自然に落ち着くことが多いですが、必要に応じて経過観察や小児循環器専門施設への紹介も行っております。

もし、ご不明点などありましたら当院までご相談ください。

 

 

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