小児食物負荷試験について🦐🍞
食物経口負荷試験って?
食物アレルギーがあるのかを、最も正確に診断できる検査です。
血液検査や皮膚テストだけではわからない“実際に食べた時の反応”を、医師の管理のもとで確認します。
食物経口負荷試験の目的
食物経口負荷試験を行う目的には、大きく分けて2つあります。
- 食物アレルギーの確定診断
本当に食物アレルギーがあるのか、診断するために検査をします。 - 安全に摂取できる量を確認、または耐性獲得(治っているか)の診断
・食物アレルギーがあるけれど、全員が完全に除去する必要はなく、食べられる量は人によって違います。お子さんが食べられる量を検査で確認します。
・乳幼児期に発症した食物アレルギーは徐々に治っていくことがわかっています。お子さんの食物アレルギーが治っているかを検査で判断します。
誰でも受けられるの?
o歳から15歳まで(16歳未満)のお子さんであれば、年に3回まで保険診療でうけることができます。
「ずっと除去していいのか?」「少しなら食べても大丈夫なのか?」「血液検査が陽性になって除去を指導されたけど、本当にアレルギーなのか?」
など、そんな悩みのある方に適している検査です。
検査の流れ
① 事前に医師の診察とご説明、同意書に署名をします(必要に応じてお薬の処方)
② 検査で使う食材・食品をご家庭で準備して、当日に持参(卵の場合は院内で加熱卵パウダーの購入も可)
③ 院内で食べて、2〜3時間かけて症状が出ないかをしっかり観察します👀。
👉陽性の場合(症状が出てしまったら):その場で治療します
👉陰性の場合(症状なければ):自宅で食べられる方法を医師が説明します
クリニックでアレルギー症状が出ても、すぐに対応できるため、安心して受けることができます。
食べられるアレルギー食品を食べ続けることのメリット
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少量でも食べ続けたほうが食物アレルギーは治りやすい
完全除去をするよりも、負荷試験で食べることができた量を食べ続けたほうが、その後のアレルギーは治りやすいことはわかっています。
ただし、アレルギー症状が出ない安全な量を食べること、体調不良や運動・抜歯などアレルギー症状が出やすい状況を避けて摂取することが非常に大切です。
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食生活が少しでも豊かになる
- 食物アレルギーでは、正しい診断に基づいた必要最小限の原因食物の除去が原則とされています(食物アレルギー診療ガイドライン2021)。
- 負荷試験で食べられるようになると、アレルギー食物の入った食品でも食べられるものが増えます。
(例:加熱鶏卵1/8個を食べられるようになると、特定のお菓子や加工品が自宅で食べられます。)
- 除去を継続することは安全である一方、食生活を大きく制限することになります。食事の制限がなくなっていくと、ご本人だけでなく、一緒に食事をされるご家族も自然と食べられる食品が増えていきます。
- 当院では、できるだけ“食べられるもの”を増やし、安心して食事ができるようにサポートしています。
当院では医師と相談のうえで、必要な方に食物経口負荷試験を行っています。
食物アレルギーに関してご心配な方は、どうぞご相談ください。
参考文献:
この記事を書いた人
カーサファミリークリニック
副院長 三浦陽子
小児科専門医・アレルギー専門医