メニュー

若くても心筋梗塞に? 家族性高コレステロール血症(FH)とは

[2025.05.19]

家族コレステロール血症(FH)は?

FH遺伝病気で、子ども〜年のうちからLDLコレステロール(いわゆる悪玉コレステロール)非常なります。LDLコレステロールの値が非常に高い200mg/dLを超えることも珍しくありません。
この疾患の問題は、一般的な生活習慣病による高コレステロールとは違い、動脈硬化の進行が早く、心筋梗塞のリスクが数倍高いといわれている点です。

この遺伝病は、父親と母親から由来する遺伝子の配列の変化により2つのタイプに分かれます。

・「ヘテロ接合体」:両親のどちらかにFHの遺伝子異常がある場合の遺伝病で、300人に1人の割合でみられるといわれています。

・「ホモ接合体」:両親のどちらもFHの遺伝子異常がある場合の遺伝病で、30万人に1人の割合でみられるといわれています。

どんなFH疑うき?

  • LDLコレステロール180mg/dL以上

  • 若い健康診断脂質異常指摘れる

  • 家族に「若くて心筋梗塞人」や「コレステロール人」複数いる

等があれば疑うポイントとなります。FHの診断基準は以下となっているため、このようなことが当てはまる場合疑います。

  1. 高LDLコレステロール血症(未治療時のLDLコレステロール 180mg/dL以上)
  2. 腱黄色腫 (手背、肘、膝などの腱黄色腫あるいはアキレス腱肥厚) あるいは 皮膚結節性黄色腫
  3. FHあるいは早発性冠動脈疾患の家族歴 (2親等以内の血族)
    *早発生冠動脈疾患とは男性55歳未満、女性65歳未満で生じた狭心症もしくは心筋梗塞のことを指します

    上記3つのうち2つ以上当てはまる場合にFHと診断されます。2項目以上を満たさない場合でも、LDLコレステロール が 250 mg/dL 以上の場合はFH を強く疑います。

30万人に1人のタイプとされる「ホモ接合体タイプ」のFHの患者さんは、幼少期からコレステロール値の異常高値を指摘されていることが多く、遺伝学的検査を行うことが望ましいとされています。
ホモ接合体の遺伝子検査が保険適応で行うことができるため、疑われる方は検査が可能な病院をご紹介させていただくこともあります。

治療法は?

食事運動療法を中心にスタチンなどの高脂血症に対する内服薬で、LDLの値を低下させることができます。ただし、内服治療でも十分に低下できない方は、PCSK9阻害薬(レパーサ®やレクビオ®)という皮下注射のお薬を使用することも治療法としてはあります。

FHの方にとって大切なこと

FHであると、診断基準に入っている項目のように若くして狭心症や心筋梗塞となってしまうことがあります。40歳代で心筋梗塞になって救急車で病院に運ばれてしまう方などは一定数この疾患であることが病院勤務時に経験上ありました。命を脅かす心筋梗塞を発症してしまうと今後の人生が大きく狂ったり、多くのお薬を飲まないといけなくなったりします。そのよう事態防ぐためも、FH早期つけ、適切対処すること非常重要です。また、FHの方は動脈硬化の進行が通常より早いため、若いうちからの定期的な心臓のチェック(頸動脈エコー、心臓CTなど)をすることも大切と考えます。心臓CTは入院することなく心臓の血管の狭窄度を見ることができ、頸動脈エコーは超音波により首の血管の動脈硬化度を測ることで、全身の動脈硬化の程度をある程度想定することができます。

当院では、頸動脈エコーを行うことができます。心臓CTが必要と判断した際には病院などをご紹介させていただくこともあります。

 

以上、FHのお話でした。ご不明点や高コレステロール血症で気になることでがありましたら遠慮なく当院までご相談下さい。

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME