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胸の痛み

― 命にかかわる病気から、よくある症状まで ―

胸の痛みは、日常的に経験されることもある一方で、命に関わる重大な病気のサインであることもあります。
原因は多岐にわたり、見極めが難しいケースも少なくありません。
ここでは、胸痛の主な原因や受診の目安について解説します。

原因

胸の痛みを引き起こす疾患は、大きく以下の系統に分けられます。

1. 心臓・血管の病気

  • 狭心症・心筋梗塞:胸を締めつけられる・押されるような痛み。運動やストレスで誘発されることもあります。肩や腕、あごに放散することがあります。心筋梗塞の場合、時間経過とともに分単位で心臓の筋肉が壊死していき、重大な結果を招くことのあるとても怖い病気です。

  • 大動脈解離:突然の裂けるような痛み。背中に抜けるような痛みが特徴的。痛みの時間は比較的長くなります。

  • 心膜炎:発熱を伴うこともあり、深呼吸や体位で痛みが変化する場合があります。

▶︎これらは緊急性が高く、迅速な対応が必要です。特に、心筋梗塞や大動脈解離は時間との勝負な病気であり、速やかに大きな病院をご紹介させていただくこともあります。

2.  呼吸器の病気

  • 肺塞栓症:急な胸痛と息切れ、時に失神を伴います。深部静脈血栓症(エコノミークラス症候群)などが誘因です。足にできた、血栓が肺の血管に飛ぶことが原因の病気です。

  • 気胸:若年男性に多く、片側の胸の痛みや呼吸困難を伴います。

  • 胸膜炎・肺炎:咳や発熱を伴い、呼吸により痛みが強くなることがあります。

3.  消化器の病気

  • 逆流性食道炎:胸の中央部の痛みや焼けるような感じ、胸やけの症状。

  • 胃潰瘍・十二指腸潰瘍:みぞおちの痛みが胸に感じられることも。

4.  筋・骨格・皮膚の問題

  • 肋間神経痛:刺すような痛み。動作や体位変化で誘発されやすい。

  • 筋肉痛・肋骨の打撲や骨折:明確な誘因があることが多く、押すと痛みが増強します。

  • 帯状疱疹:片側にぽつぽつとした皮疹を伴い、ピリピリ、ズキズキと痛みます。皮疹が出る前に痛みだけ出現していることもあります。

5.  心因性(ストレスなど)

  • 心因性胸痛・過換気症候群:ストレスや不安で発症。胸の締め付け感、息苦しさ、しびれなどの症状が当てはまることが多いです。

  • 前胸部キャッチ症候群:小児〜若年者に多くみられる、突発的な胸の痛みを特徴とする良性の症候群です。突然、胸の一部(多くは左胸の外側寄り)に「チクチク」「ズキッ」とするような鋭い痛みが走ります。

受診の目安・注意すべき症状

以下のような症状がある場合は、できるだけ早めの受診をおすすめします。

  • 強い締めつけ感や圧迫感がある

  • 背中や肩、腕、あごに痛みが広がる

  • 冷や汗、息切れ、吐き気を伴う

  • 安静時にも続く、または徐々に悪化する

  • 痛みが再発する、運動で誘発される

  • 発熱や咳、呼吸困難を伴う

特に、高血圧・糖尿病・高コレステロール・喫煙歴のある方や、ご高齢の方は、心臓の病気のリスクが高くなります

当院での対応

当院では、胸の痛みの原因を正確に診断するために、次のような検査を行います。

  • 問診と身体診察

  • 心電図・胸部レントゲン・血液検査

  • 必要に応じて心エコー・頸動脈エコー・ホルター心電図 など

※症状やリスクに応じて、提携医療機関への緊急紹介も迅速に対応します。

まとめ

胸の痛みには、「すぐに対処が必要な病気」と「それほど心配のいらない痛み」があり、その見極めがとても大切です。
その判断には、医師による丁寧な問診と、適切な検査が欠かせません。私は特に問診を大切にしており、お話をじっくりうかがいながら、重大な病気の可能性があるかどうかを見きわめていきます。
その上で、心電図や心臓エコーなどの検査を組み合わせて、総合的に診断していきます。

「これくらいで病院に行っていいのかな?」と迷うような症状でも大丈夫です。少しでも胸に違和感や不安を感じたら、お気軽にご相談ください。
早めに確認することで、大きな安心につながります。

Q&A

検査で異常がなければ、安心してよいのでしょうか?

一度検査で異常がなくても、症状が続く・再発する場合は再評価が必要です。特に心臓疾患は繰り返すことがあります。

胸の痛みが数秒で消えたのですが、受診すべきですか?

痛みが短時間で消えても、繰り返す・運動と関連するようなら要注意です。軽視せず、一度ご相談ください。

記事執筆者

カーサファミリークリニック
院長  三浦 光太郎
 循環器内科専門医 総合内科専門医

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