お腹の症状(腹痛、嘔吐、下痢など)
胃腸炎とは?
胃腸炎は、ウイルスや細菌などの感染によって、胃や腸に炎症が起きる病気です。大人にも子どもにも多く見られ、とくに冬から春にかけて流行しやすくなります。
主な症状
胃腸炎になると、次のような症状があらわれます:
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吐き気・嘔吐(感染してから最初に出ることが多いです)
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下痢・腹痛(1週間以上ながびくこともあります)
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発熱(出ないこともあります)
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食欲不振
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全身のだるさ
症状の強さや続く期間には個人差がありますが、通常は数日〜1週間ほどで自然に回復することが多いです。
胃腸炎の原因
胃腸炎の原因はさまざまですが、主に以下のようなものがあります。
ウイルス性(多くはこれに該当します)
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ノロウイルス
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ロタウイルス
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アデノウイルス など
→近年は、検査はせずに診断することが多いです。
細菌性
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サルモネラ菌
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腸炎ビブリオ
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カンピロバクター など
→ 食中毒として発症することもあります。
治療について
ウイルス性胃腸炎には特効薬はなく、主に対症療法(症状を和らげる治療)が行われます。
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嘔吐や下痢による脱水を防ぐことが最も重要です、経口補水液(OS-1、アクアライトなど)での水分補給をします。*嘔吐症状が強いときは、まずは5分おきにペットボトルのキャップ1杯ずつの経口補水液を摂取します。
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症状が重い場合や脱水が強いときは、点滴治療が必要になることもありますので、入院できる医療機関へ紹介します。
注意点
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嘔吐が強い場合は、経口補水液から開始して、コップ1杯分飲めるようになったら、食事は消化の良いもの(おかゆ、うどん、スープなど)から少しずつ再開しましょう(無理に食べさせなくて大丈夫です)。
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嘔吐や下痢が続くとき、ぐったりしているとき、高熱があるときは、早めに受診してください。
- 特に乳児のお子さんは、(イチゴゼリー様の)血便が出て不機嫌な場合には、早期に医療機関を受診してください。
胃腸炎はうつる?
ウイルス性胃腸炎は感染力が強いため、家庭内や園・学校などで広がりやすい病気です。食事が摂れるようになり、下痢が改善したら登校・登園が可能です。
感染予防のポイント
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手洗いをこまめに・しっかりと行う
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嘔吐物や便の処理は、手袋・マスクを使って適切に(消毒には次亜塩素酸ナトリウムは有効です、アルコールは効かないことがあります)
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食器やタオルは共有を控える など
まとめ
胃腸炎は多くの方がかかる身近な病気ですが、症状がつらくなりやすく、特に小さなお子さんや高齢の方は注意が必要です。
症状が強いときや、脱水が心配なときは、早めにご相談ください。
この記事を書いた人
カーサファミリークリニック
副院長 三浦陽子
小児科専門医・アレルギー専門医