アレルギー性鼻炎について小児科・アレルギー専門医がわかりやすく説明します|西葛西 カーサファミリークリニック
メニュー

夜尿症(おねしょ)

夜尿症について

「夜尿症(やにょうしょう)」とは、5歳をすぎても月に何回も夜におしっこを漏らしてしまう状態のことをいいます。いわゆる「おねしょ」が続いている状態です。

夜のおしっこは、成長とともに自然になくなることが多いですが、5歳をすぎても週2回以上、3か月以上つづく場合は、医師によるサポートが必要な「夜尿症」と考えられます。


なぜ夜尿症になるの?

夜尿症の原因はいくつかあります。多くは体の発達のスピードによるもので、病気ではありません

主な原因には:

  • 夜間に作られるおしっこの量が多い

  • 眠りが深くて尿意で目が覚めない

  • おしっこをためる力(膀胱の容量)がまだ十分でない

※ストレスや生活リズムの乱れが関係している場合もあります。


治療について

夜尿症の治療は、お子さんの様子に合わせて無理なく進めていきます。

生活習慣の見直し
 夕方以降の水分のとり方や、寝る前のトイレの習慣などを整えます。

夜尿日誌の記録
 いつ、どれくらいおねしょをしたかを記録して、経過を見ていきます。

アラーム療法
 夜におねしょをするとアラームで知らせて、排尿のリズムを整える方法です(アラームの購入が必要です)。

薬物療法:下記のお薬を選択することがあります。

① デスモプレシン(商品名:ミニリンメルト など)

  • 体内で作られる“抗利尿ホルモン”と同じ働きをする薬です。夜間のおしっこの量を減らし、おねしょをしにくくします。

  • 口の中で溶けるタイプの薬で、水と一緒に飲まないのが特徴です。就寝前に1日1回使用します。

※注意点:薬を飲んだあとは夜間の水分を控える必要があります。水分をとりすぎると、まれに「低ナトリウム血症」を起こすことがあるため、医師の指示に従って使用してください。

② 三環系抗うつ薬(商品名:トフラニール など)※現在はあまり第一選択ではありません。

  • 尿をためる力(膀胱の容量)を高める働きがあり、おねしょを減らす効果があります。

  • 副作用に注意しながら、慎重に使います。

③ その他:漢方薬(例:小建中湯 など)

  • 冷えや体質が関係していると考えられるケースで処方されることがあります。体調を整えながら、夜尿を改善するサポートをします


夜尿症は「がんばれば治る」というものではありません。怒ったり、からかったりすると、かえって症状が悪化することもあります。

大切なのは、

  • お子さんの自尊心を傷つけないこと

  • 焦らず、前向きに治療を続けること

です。気になることがあれば、お気軽にご相談ください

夜尿症は多くのお子さんが経験することです。気になる症状があるときは、遠慮なく医師にご相談ください。

この記事を書いた人

カーサファミリークリニック

副院長 三浦陽子

小児科専門医・アレルギー専門医

HOME

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME