便秘
便秘とは?
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便が週に3回未満しか出なかったり、5日以上出ない日が続くときには、便秘と診断されます。
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毎日出ていても、「便がとても硬い」「排便のときにお尻が切れて出血する」といった症状も便秘の一種です。
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実は、10人に1人ほどのお子さんが便秘を経験していると言われています。
便秘は放っておくと悪化しやすくなります。便を我慢するとどんどん硬くなり、排便時の痛みでさらに我慢してしまう…という悪循環が起きてしまいます。
治療と予防のポイント
便秘の治療では、「排便=気持ちいいこと」とお子さんが感じられるようにすることが大切です。
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生活リズムを整える:早寝・早起き、3食しっかり食べる、外で元気に遊ぶ
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トイレ習慣をつける:毎日決まった時間にトイレに座る
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食事の見直し:水分・食物繊維をとる、お菓子・ジュースを控える
それでも改善しないときは、便を柔らかくするお薬(酸化マグネシウム・マクロゴールなど)や、腸を刺激するお薬・座薬などを使うこともあります。半年〜3年ほどの継続治療が必要なこともありますので、無理のないペースで治療を進めていきましょう。
トイレトレーニング中の便秘
トイレトレーニングの時期は、便秘になりやすいタイミングです。保護者の方が焦らず、お子さんの発達に合わせて、できたことを一緒に喜びながら進めることが大切です。
便秘に関するQ & A
Q1. お子さんにトイレへ行くことを促すには?
排便の習慣づけや便秘の予防・改善には、トイレに行くことを自然に生活の中に取り入れることがとても大切です。お子さんが「トイレは怖くない」「行っていいんだ」と思えるような工夫をしてみましょう。
1. 時間を決めて「習慣」にする
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毎日食後(特に朝食後)などにトイレに座る時間を作りましょう。
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出なくてもOK。「座る」だけでも続けることが大切です。
2. 焦らず、プレッシャーをかけない
- できたことに目を向けて、「座れたね!」「トイレに行けたね!」と小さな成功をほめることが大事です。
3. トイレを楽しい場所に
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お気に入りの絵本やシールを置いたり、ポスターでデコレーションしたりして、怖くない空間にしましょう。
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成功したらごほうびシールを貼るなど、ゲーム感覚で続けられる工夫も◎
4. 「行っていいんだよ」と安心させてあげる
- 「おしっこしたくなったら教えてね」「途中でもトイレ行っていいよ」と、トイレに行くのは良いことだと伝えるようにしましょう。
5. ママ・パパも「見本」に
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小さな子は大人の真似をしたがるもの。タイミングを見て「パパもトイレ行ってくるね」と伝えるのも効果的です。
Q2. 赤ちゃんも便秘になるの?
赤ちゃんでも週に3回未満の排便の場合は便秘の可能性があります。まずは、腸や肛門に先天的な病気がないかを確認することが大切です。
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哺乳量が少ないと便秘になることもあるので、体重の増え方もチェックしましょう。
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綿棒にワセリンを塗って肛門を1〜2cm刺激する方法(綿棒浣腸)も効果的です。
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改善がみられない場合は、食事の見直し、薬、浣腸などで治療します。
この記事を書いた人
カーサファミリークリニック
副院長 三浦陽子
小児科専門医・アレルギー専門医