アレルギー血液検査
アレルギー血液検査とは?
採血で、血液中に存在する特異的IgE抗体の量を測定する検査です。特異的IgE抗体は、アレルギーの原因となる食物や花粉など(アレルゲン)に反応し、アレルギー症状を引き起こす抗体です。
特異的IgE抗体価が陽性(0.35 kUA/L以上) =アレルギーと診断できる……わけではありません!
アレルギー検査が必要な人は?
アレルギーは、食物・花粉・ハウスダスト・ダニ・動物など、身近なものが原因で起こります。症状や生活への影響が大きい場合、アレルギー検査を行うことで原因を特定でき、適切な対策や治療につなげることができます。
アレルギー血液検査をおすすめするケース
食後に症状が出る場合
特定の食物を食べた後にアレルギー症状(皮膚の痒み、じんましん、口やのどのかゆみ、嘔吐・腹痛、咳やゼーゼーなど)が出る。皮膚の症状が長引く場合
アトピー性皮膚炎や長引く湿疹があり、原因がはっきりしない。季節ごとに症状が出る場合
春や秋に「鼻水・鼻づまり・目のかゆみ」が悪化し、花粉症が疑われる。一年中続く鼻炎や咳がある場合
ダニ・ハウスダスト・ペットなど、環境アレルゲンが関与している可能性がある。重い反応が出たことがある場合
食物でアナフィラキシーを起こした経験がある。
検査を受けるメリット
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原因が分かることで、 必要のない食事制限を避けられる
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適切な薬や生活環境の工夫で 症状を軽減できる
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将来的なリスク(喘息や重症アレルギー)に対して 早めに備えられる
アレルギーの診断に必要なこと
問診
アレルギー診断で最も大切なのは、まず「症状がいつ・どのように出たか」を問診で確認することです。
- どんなときに症状が出るか(食後、季節、環境など)
- 症状はどれくらいの時間で出たか
- どのような症状か(じんましん、咳、呼吸困難、嘔吐など)
医師はこの情報をもとに、検査や治療方針を考えていきます。
検査
問診だけでは原因が分からない場合、以下の検査を組み合わせて診断します。
- アレルギー血液検査(特異的IgE抗体の測定)
- 皮膚テスト(プリックテスト)
- 食物経口負荷試験(食物アレルギーの診断で最も精度が高い検査。医療機関で実施)
繰り返しになりますが、検査で「数値が高い=アレルギーがある」とは限りません。症状と検査結果を合わせて判断することが重要です。
当院では、アレルゲンの種類は13項目まで保険診療内で測定ができます。検査をしてから結果がわかるまで、1週間程度のお時間をいただきます。
検査できる項目には限りがありますので、受診の際にご相談ください。血液検査で金属アレルギーを診断することはできません。
患者様の症状の経過を確認した上で、血液検査結果を実施します。食物アレルギーのある方には、食物経口負荷試験を行います。
「何が原因か知りたい」「アレルギーなのか相談したい」「食事制限を続けていて心配」など、気になることがあれば、ぜひ一度ご相談ください。
この記事を書いた人
カーサファミリークリニック
副院長 三浦陽子
小児科専門医・アレルギー専門医