食物負荷試験
食物負荷試験とは
- 血液検査や皮膚テストよりも正確に食物アレルギーを診断できる検査です。
- 安全な環境下(クリニックや病院)でアレルギーが疑われる食物 を摂取し、アレルギー症状が出るかを観察します。
- 食物負荷試験で症状が出なかった場合には、アレルギーのある食物でも、医師の指導のもとで少しずつ摂取量を増やし、食べられる食品を増やすことができます。
この検査は、アレルギー診療に精通した医師のもとで行います。当院では、食生活の幅を広げる(できるだけ制限せずに食べられるようにする)ための診療を心がけています。
🔹負荷試験で食べるもの
- 事前に準備するものを説明しますので、当日に持参してください。
- 少量の卵負荷試験を受ける方は、加熱鶏卵パウダー(1包当たり200円)を院内で購入いただき、使うこともできます。
🔹 検査の流れ
- 事前予約と同意書の署名
事前に受診をして、食物負荷試験を受けるかを医師と相談します。(必要に応じて抗ヒスタミン薬を処方します。)受ける場合には、同意書へご署名いただきます。 - 食物の持参・摂取
指定の食物を持参し、院内で1〜2回に分けて食べます。 - 症状の観察
食べてから2〜3時間、アレルギー症状が出るかどうかを院内で観察します。
症状が現れた場合:事前に処方された抗ヒスタミン薬を服用し、必要に応じて追加治療をします。
症状が現れなかった場合:自宅で安全に食べる方法を説明します、自宅でも同じ量のものを食べます。
この検査を通じて、アレルギーが疑われる食物であっても安全に・食べられる食品が増えるようになります。(例:卵アレルギーの方が、中等量の負荷試験で症状がなかった場合には、卵がつなぎとして使われた特定の食品が食べられるようになる)
食物アレルギーなのか知りたい、食物アレルギーがあってお悩みの方(例:どいつまで除去したらいいかわからない、何を食べたらいいのかわからない、など)は当院へご相談ください。
🔹 注意事項
- 当院では全ての患者さんに食物負荷試験を実施できるわけではありません。(当院で行えない場合には、専門施設をご紹介します。)
- 体調不良(風邪をひいている、発熱・嘔吐・下痢症状がある)、喘息発作が出ている、痒みのある湿疹がある、歯が抜けたばかりの場合には、アレルギー症状が出やすくなるため食物負荷試験は行えません。当日に医師の診察を受けて、負荷試験が行えるかを判断します。
初めて食べるときに気をつけること
アレルギーの原因となりやすい食物を初めて食べる場合は、食後2時間程度は自宅で安静に過ごし、様子を見ると安心です。また、以下のような場合にはアレルギー症状が出やすくなるため、注意が必要です:
- 体調が悪い(発熱・嘔吐・下痢・咳・鼻水がある)
- 疲れている
- 喘息発作がある
- 歯が抜けた
- 月経前または月経中
さらに、顔や体に湿疹がある場合には、湿疹が悪化しやすくなるため、症状が出やすくなります。この場合、湿疹の治療を先に行うことが重要です。
<<この記事を書いた人>>
カーサファミリークリニック
副院長 三浦陽子
小児科専門医・アレルギー専門医