肥満外来
肥満とは、体内に過剰な脂肪が蓄積した状態のことです。医学的にはBMI(体格指数)25以上を「肥満」と定義しており、見た目だけの問題ではありません。放置すると、高血圧・糖尿病・脂質異常症をはじめ、睡眠時無呼吸症候群、心筋梗塞や脳梗塞などの心血管疾患、月経異常や不妊症、脂肪肝、変形性膝関節症といった病気のリスクが高まります。健康を維持するためには、、医学的なアプローチによる体重管理が必要なため、当院ではまずその肥満がどのタイプなのかを見極めるところから始めます。
肥満の定義
肥満かどうかは、BMI(体格指数)という数値で判定します。
BMI = 体重(kg)÷ 身長(m)÷ 身長(m)
日本肥満学会では、BMIによって次のように分類しています。
| BMI | 判定 |
|---|---|
| 18.5未満 | 低体重(やせ) |
| 18.5〜25未満 | 普通体重 |
| 25以上 | 肥満 |
| 35以上 | 高度肥満 |
ここで大切なのは、「肥満(BMI25以上)」と「肥満症」は別物だということです。肥満症とは、肥満に加えて、高血圧や糖尿病などの健康障害を伴っている状態を指し、医学的に減量が必要な状態です。
肥満には2つのタイプがあります
肥満は、その原因によって大きく2つに分けられます。治療の方針が変わるため、最初にどちらのタイプかを見極めることがとても重要です。
① 一次性肥満
特定の病気が原因ではなく、食べ過ぎ・運動不足・体質・生活習慣などによってエネルギーが過剰になり起こる肥満です。肥満の大部分(約9割以上)がこのタイプにあたります。
② 二次性肥満
何らかの病気や薬の影響で起こる肥満です。たとえば次のような原因が考えられます。
- ホルモンの病気(甲状腺機能低下症、クッシング症候群、多囊胞性卵巣症候群 など)
- 視床下部(脳の一部)の病気
- 一部のお薬の影響(ステロイド、一部の向精神薬 など)
- 生まれつきの病気
二次性肥満は、いくら食事や運動をがんばっても、原因となっている病気を治療しないと改善しません。当院では、必要に応じて血液検査などで原因を調べ、二次性肥満が疑われる場合は、専門的な検査・治療ができる医療機関(内分泌内科など)へご紹介します。
保険適用の肥満症治療薬(ウゴービ・ゼップバウンド)について
一次性肥満で、下記の基準に当てはまる方は、保険適用の肥満症治療薬による治療の対象となる場合があります。
- 持続性GLP-1受容体作動薬:ウゴービ(セマグルチド)
- 持続性GIP/GLP-1受容体作動薬:ゼップバウンド(チルゼパチド)
| 対象となる方 | 条件 |
|---|---|
| BMI 35以上 | 無条件で対象となります |
| BMI 27〜35 | 下記の合併症のうち2つ以上に当てはまる方が対象です |
※合併症:糖尿病、脂質異常症、高血圧、高尿酸血症、冠動脈疾患、脳梗塞、非アルコール性脂肪性肝疾患、月経異常、不妊、睡眠時無呼吸症候群、運動器疾患、腎臓病
ただし、これらの薬による保険診療での治療は、当院では行うことができません。 これらの薬は、関連学会の認定を受けた大きな病院でのみ処方が可能とされているためです。
基準に当てはまる方には、当院から保険診療が可能な医療機関へご紹介いたしますので、お気軽にご相談ください。
自費診療を希望される方へ
当院では、以下のサポートを自費診療で提供しています。体質や生活スタイルに合わせて、無理なく続けられる減量の方法を一緒に考えます。
| サポート内容 | 詳細 |
|---|---|
| アドバイス | 個々のライフスタイルに合わせた栄養・運動の指導を行います |
| 代謝評価 | 必要に応じて血液検査を行い、現在の健康状態を評価します |
| 薬物療法 | 適応がある場合のみ処方を行います(過度な痩身目的には処方できません) |
→ 自費診療のページ
さいごに
肥満は単なる体重の問題ではなく、生活の質や健康障害、整形外科的疾患に直結する健康課題と考えています。まずは、その肥満がどのタイプなのかを見極めどのような治療が望ましいか相談していくことが大切です。
この記事を書いた人
三浦 光太郎|カーサファミリークリニック 院長
循環器専門医・総合内科専門医・医学博士
