子どもにじんましんが出た!原因・症状・対応を西葛西のアレルギー専門医が解説
「気づいたら体中に赤いブツブツが出ている」「食後に急に顔が腫れてきた」「原因に全く心当たりがない」
突然のじんましんは、保護者にとって非常に焦る症状のひとつです。「すぐ救急に行くべき?」「様子を見ていい?」と判断に迷う方も多いと思います。
この記事では、葛西・西葛西・江戸川区エリアの保護者の方に向けて、じんましんの原因・症状の見分け方・受診の目安・自宅でできる対応を、小児科専門医・アレルギー専門医の立場からわかりやすく解説します。
じんましんとはどんな症状?
じんましん(蕁麻疹)は、皮膚が赤く盛り上がり(これを膨疹といいます)、かゆみが出る症状です。小さなものもあれば、いくつかの膨疹がくっついて大きく広がることもあります。
じんましんの大きな特徴は「消えたり出たりする」ことです。多くの場合、膨疹は数時間以内、遅くとも24時間以内に跡を残さず消えます。ただし、消えても別の場所に新しく出てくることがあります。
ここで注意したいのは、「症状が消えたから大丈夫」とは言い切れないという点です。特に食物アレルギーが原因の場合、一度症状が落ち着いたように見えても、数時間後に再び強い症状が現れることがあります(二相性反応)。症状が出た状況をよく観察することが大切です。
じんましんの原因は?
じんましんが出ると「何か食べたから?」と食物アレルギーを疑う方が多いですが、実はじんましんの約70%は原因がはっきりしないと言われています。これを特発性じんましんといいます。
原因がわかる場合の主なものは以下の通りです。
食物アレルギー
鶏卵・牛乳・小麦・ナッツ・甲殻類(エビ・カニ)などが代表的です。食後2-3時間以内に症状が出ることが多いのが特徴です。ただし、じんましんだけが食物アレルギーの症状とは限りません。
感染症・風邪
ウイルス感染(風邪・胃腸炎など)に伴ってじんましんが出ることがあります。子どものじんましんではこのケースが多く、感染症が治まるとじんましんも自然に消えることがほとんどです。
疲労・体調不良・ストレス
体調が優れないときや睡眠不足のときにじんましんが出やすくなることがあります。
物理的な刺激
寒さ・日光・汗・掻く動作・衣服の圧迫などの物理的な刺激でじんましんが誘発されることがあります。
薬剤アレルギー
解熱鎮痛薬(イブプロフェン・アスピリンなど)や抗菌薬などが原因になることがあります。薬を飲んだ後に症状が出た場合は必ず医師に相談してください。
原因がはっきりしない場合でも、適切な治療で症状をコントロールできます。「原因がわからないから受診しても意味がない」ということはありませんので、繰り返す場合はお気軽にご相談ください。
急性じんましんと慢性じんましんの違い
じんましんは症状の続く期間によって急性と慢性に分けられます。
| 急性じんましん | 慢性じんましん | |
|---|---|---|
| 期間 | 6週間以内 | 6週間以上続く |
| 子どもに多いタイプ | こちらが多い | 大人にやや多い |
| 主な原因 | 食物・感染症・薬剤など | 多くは原因不明 |
| 経過 | 治療で改善することが多い | 長期の内服管理が必要なことも |
子どもに多いのは急性じんましんで、感染症や食物アレルギーが引き金になるケースが多いです。一方、慢性じんましんは6週間以上症状が続くもので、原因が特定できないことが多く、長期にわたって抗ヒスタミン薬を続ける必要がある場合もあります。
様子見でいい場合・受診すべき場合【判断の目安】
じんましんが出たとき、一番迷うのが「受診すべきかどうか」ではないでしょうか。以下の目安を参考にしてください。
様子見でいい場合🟢
以下の条件がすべて当てはまる場合は、まずご自宅で様子を見ていただいて構いません。
- 部分的なじんましんだけ、他の症状(嘔吐・腹痛、咳・呼吸困難など)がない
- 本人は元気でいつも通り過ごせている(苦しそうではない)
- 数時間で自然に消えてきた
- 水分・食事がいつも通りとれている
抗ヒスタミン薬(アレグラ・クラリチン・ザイザルなど)があれば服用してください。翌日以降も繰り返す場合は受診をおすすめします。
当日中に受診すべき場合🟡
- 広がり続けている、かゆみが強い、何度も繰り返して出る
- 顔・唇・まぶたが腫れている(軽度)、じんましん以外の症状がある
- 抗ヒスタミン薬を飲んでも改善しない
- 2週間以上繰り返している
今すぐ救急へ🔴
以下の症状が1つでも出た場合は、アナフィラキシーの可能性があります、119番に電話してください。
- 顔・唇・舌・喉が大きく腫れている
- 声がかれる・呼吸が苦しい・ゼーゼーする
- 嘔吐・強い腹痛がじんましんと同時に出る
- ぐったりしている・顔色が青白い
エピペンをお持ちの方は迷わず使用してから119番をしましょう。
じんましんとアナフィラキシーの見分け方
じんましんが出たとき、保護者の方が最も心配されるのが「これはアナフィラキシーなのでは?」という点です。
じんましんは皮膚だけの症状です。一方、アナフィラキシーは複数の臓器に同時に症状が現れます。じんましんに加えて、呼吸困難・嘔吐・血圧低下・意識の変化などが重なっている場合はアナフィラキシーの可能性を考えてください。
皮膚症状がなくてもアナフィラキシーは起きます。じんましんが出ていなくても、呼吸が苦しい・ぐったりしているという場合はアナフィラキシーを疑う必要があります。
アナフィラキシーの詳しい対応についてはこちらのブログ記事をご覧ください。
自宅でできる対応
できるだけかかない
かくことで症状が広がったり、皮膚が傷ついて感染するリスクがあります。
冷やす
冷やしたタオルや保冷剤(タオルで包む)を当てることでかゆみを和らげることができます。じんましんは体を温めると悪化しやすいため、入浴・運動は症状が出ている間は控えてください。
抗ヒスタミン薬を服用する
抗ヒスタミン薬がじんましんの治療に最も有効です。。ただし、初めて使う場合や症状が強い場合は医師に相談しましょう。
原因を記録する
いつ・何を食べたか・何時ごろ症状が出たか・何時間で消えたか・どの部位に出たかをメモしておくと、受診時に原因を特定する手がかりになります。写真を撮っておくことも有効です。
じんましんが繰り返す・長引く場合は相談
特定の原因に対して蕁麻疹が出ていることが疑われる時(食物アレルギーなどが疑われるとき)は、原因を特定するためのアレルギー検査を検討します。
アレルギー血液検査では、食物アレルギーや薬剤アレルギーなどの特異的IgE抗体を調べることができます。
皮膚プリックテストでは採血をせずにアレルギーを調べることができ、血液検査では見つけにくい食物アレルギーの診断にも有用です。
ただし、慢性じんましんの約70%は検査をしても原因が特定できません。抗ヒスタミン薬を継続することで症状をコントロールできます。「原因がわからないから治療できない」ということはありませんので、まずはご相談ください。
まとめ
| 状況 | 対応 |
|---|---|
| 一部分のじんましんのみ・本人元気・数時間で消えた | 🟢 様子見も可・翌日以降に受診 |
| 広がる・かゆみが強い・繰り返す | 🟡 当日中に受診 |
| 2週間以上続く・慢性じんましん疑い | 🟡 受診して治療を相談、必要に応じて検査 |
| 呼吸困難・顔の腫れ・ぐったり・嘔吐が重なる | 🔴 すぐ119番・救急へ |
じんましんは「突然出て驚く」症状ですが、適切に対応すれば怖い病気ではありません。一方で、アナフィラキシーのサインを見逃さないことが最も重要です。少しでも不安な場合は受診をためらわないでください。
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この記事を書いた人
三浦 陽子|カーサファミリークリニック 副院長
小児科専門医・指導医・アレルギー専門医・医学博士
国立病院機構相模原病院にて8年間、小児アレルギーの診療・研究に従事。
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