溶連菌感染症|登園はいつから?薬は飲み切るべき?
「のどが痛いと言って高熱が出た」「薬を飲んだらすぐ元気になったけれど、まだ飲み続けるの?」「保育園にはいつから行けますか?」
溶連菌感染症は、子どもによく見られる細菌感染症です。抗菌薬がよく効くため、飲み始めれば早く楽になります。しかし「症状が消えた後も薬を飲み切ること」が非常に重要な病気でもあります。今回は、溶連菌感染症の症状・検査・治療・登園の目安について、実際の診療に基づいて解説します。
溶連菌感染症とは
正式にはA群溶血性連鎖球菌という細菌による感染症です。主にのど(咽頭・扁桃)に感染し、発熱とのどの痛みを起こします。3〜10歳(とくに4〜7歳)に多く、飛沫や接触によってうつります。潜伏期間は2〜5日程度です。冬から春にかけて多い印象がありますが、実際には一年を通じて発生します。
特徴的な症状
よくある症状
- 突然の発熱(38〜39℃)
- 強いのどの痛み
- のどの奥が真っ赤になる
- 首のリンパ節が腫れて痛い
- 頭痛・腹痛・吐き気
- 体や手足に細かい発疹が出ることがある
- 舌にブツブツができる(いちご舌)
溶連菌を疑うポイント
咳や鼻水が目立たないのに、のどが強く痛む——これが溶連菌を疑う典型的なパターンです。一般的なかぜウイルスによる咽頭炎では咳・鼻水を伴うことが多いのに対し、溶連菌ではのどの症状が突出しているのが特徴です。
なお、溶連菌感染症は3〜10歳(とくに4〜7歳)に多く、3歳未満での発症は比較的まれです。また、3歳未満で罹患した場合も典型的な症状が出にくく、鼻水や微熱程度にとどまることがあります。
検査について
当院では、のどを綿棒でこすって調べる迅速検査を行っています。5〜10分程度で結果が出るため、その場で診断し治療を開始できます。ただし、感染のごく初期は菌の量が少なく、検査で陰性になることがあります。症状から強く疑われる場合は、時間をおいて再検査することもあります。
なお、症状のない家族に予防的に検査を行う必要は基本的にありません。ご家族に同じような症状が出てきた場合に、あらためて検査を検討します。
治療:抗菌薬を「飲み切る」ことが最も重要です
溶連菌は細菌なので、抗菌薬がよく効きます。多くの場合、飲み始めて24時間以内に熱が下がり、のどの痛みも和らぎます。そして、ここが最も大切なポイントです。
症状が消えても、薬は最後まで飲み切ってください
処方される抗菌薬は、10日間程度の服用が基本です(薬剤によって期間は異なります)。「元気になったからもういいだろう」と途中でやめてしまうと、体内に菌が残り、以下のリスクが高まります。
- 再発する
- 合併症を起こす
注意すべき合併症
溶連菌で怖いのは、感染そのものより、後から起こる合併症です。
急性糸球体腎炎 感染から1〜4週間後に、腎臓に炎症が起こることがあります。尿の色が濃くなる(コーラ色)・顔やまぶたがむくむ・尿の量が減るといった症状が出たら、すぐに受診してください。
リウマチ熱 現在の日本ではまれですが、心臓の弁や関節に炎症を起こすことがあります。
これらの合併症を防ぐために、抗菌薬をきちんと飲み切ることが必要なのです。「もったいないから残しておく」「次に熱が出たときに飲ませる」といったことは絶対に避けてください。
薬が効かないときは再受診を
抗菌薬を2〜3日しっかり飲んでも熱が下がらない場合は、診断の見直しや薬の変更が必要なことがあります。自己判断で様子を見ず、再受診してください。
登園・登校はいつから?
溶連菌感染症は学校保健安全法で定められた感染症です。
出席停止の基準
「適切な抗菌薬による治療を開始してから24時間を経過し、全身状態がよいこと」抗菌薬を飲み始めて24時間が経つと、他の人への感染力はほとんどなくなります。そのため、受診した翌々日には登園・登校できることが多いです。
ただし、あくまで「全身状態がよいこと」が前提です。熱が下がっていても、ぐったりしている・食欲がないという場合は、無理をせず休ませてください。
登園許可証について
多くの園・学校で登園許可証や登園届の提出が求められます。様式は施設によって異なるため、園・学校指定の用紙をお持ちいただくとスムーズです。指定がない場合は当院の書式で発行いたします。
家庭での注意点
水分をこまめに
のどが痛くて飲みにくくなります。しみにくいもの(冷たい飲み物・ゼリー・アイス)を活用してください。オレンジジュースなど酸味のあるものは、しみて痛がることがあります。
食事は無理をせず
のどごしのよいもの(おかゆ・うどん・プリン・豆腐など)を。熱いもの・辛いもの・硬いものは避けましょう。
タオル・食器を共有しない
飛沫・接触で感染するため、家族間でのタオルの共有は避けてください。
家族に症状が出たら受診を
ご家族(大人も含む)に強いのどの痛みや発熱が出た場合は、「子どもが溶連菌でした」と伝えたうえで受診してください。
治った後も注意していただきたいこと
溶連菌は、治った後の経過も大切です。
以下の症状が出た場合は、予定の受診日を待たずにご相談ください。
- 尿の色が濃い(コーラ色・赤褐色)
- 顔やまぶたがむくむ
- 尿の量が明らかに減った
- 関節の痛みが続く
- 再び発熱した
なお、回復期に手足の指先の皮がむけることがありますが、これは経過として見られる変化で、他に症状がなければ心配はいりません。
受診の目安
早めの受診をおすすめします
- のどの痛みが強く、高熱が出た
- 咳や鼻水は少ないのに、のどだけが痛む
- 首のリンパ節が腫れて痛がる
- 体に細かい発疹が出た
- 園・学校で溶連菌が流行している
溶連菌は検査で診断がつき、抗菌薬でしっかり治せる病気です。「ただのかぜかな」と様子を見ているうちに、合併症のリスクを残してしまうこともあります。のどの痛みが強いときは、早めにご相談ください。
葛西・西葛西・江戸川区で溶連菌のご相談は、カーサファミリークリニックへ。南葛西・清新町・中葛西エリアからもご来院いただいています。
📌 カーサファミリークリニックでは、溶連菌の迅速検査(5〜10分で結果)・治療・登園許可証の発行に対応しています。発熱の方は待合室を分けていますので安心してご来院ください。
カーサファミリークリニック 小児科・内科|葛西・西葛西(江戸川区)
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参考文献
- 学校保健安全法施行規則
- 保育所における感染症対策ガイドライン(こども家庭庁)
本記事の内容は一般的な医学情報の提供を目的としており、個別の診断・治療を行うものではありません。登園・登校の判断や許可証の要否は施設により異なりますので、必ず園・学校にご確認ください。
この記事を書いた人
三浦 陽子|カーサファミリークリニック 副院長
小児科専門医・指導医・アレルギー専門医・医学博士
国立病院機構相模原病院にて8年間、小児アレルギーの診療・研究に従事。
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