「念のため除去」をしていませんか?食物負荷試験で確かめましょう
「検査で陽性だったので、そのまま食べさせていません「もう3年間除去してますが、確かめる機会がなくて…」「症状が出たことはないけれど、怖くて試せません」
外来でよく伺うお話です。そして、こうしたお子さんに食物経口負荷試験を行うと、問題なく食べられたというケースは決して珍しくありません。
食物アレルギーの管理で大切なのは、「除去を始めること」よりは「除去をやめる時期を逃さないこと」です。今回は、確かめないまま除去を続けることのリスクと、そこから抜け出すための具体的な方法についてお話しします。
「念のため除去」が続いてしまう理由
多くの場合、悪気があってのことではありません。むしろ、お子さんを守ろうという気持ちから始まっています。
- 血液検査で陽性と出たので、そのまま避けてきた
- 家で試すのが怖くて、きっかけがつかめない
- 忙しくて、確かめる余裕がなかった
- 「そのうち食べられるようになる」と言われたまま、何年も経った
- 誰に相談すればいいかわからなかった
確かめる機会がないまま、時間だけが過ぎてしまう。これが最も多いパターンです。
なお、血液検査の結果の読み方についてはアレルギー血液検査(特異的IgE抗体検査)とはの記事で詳しく解説しています。
確かめないまま続ける、3つのリスク
① 食べられるのに、食べられないままになる
食物アレルギーは、成長とともに食べられるようになることが多い病気です。とくに卵・牛乳・小麦は、学童期までに多くのお子さんが食べられるようになります。
しかし、確かめなければ、その変化には気づけません。「実はもう2年前から食べられていた」というケースは、実際にあります。
② 生活の制限が続く
給食・外食・友達の家・お誕生日会・修学旅行——食物除去は、思っている以上に日常のさまざまな場面に影響します。とくにお子さん自身が「自分だけ食べられない」と感じる場面が増えると、心理的な負担にもなります。
③ 耐性獲得が遅れる可能性
現在の食物アレルギー診療では、食べられる量を食べ続けることが、アレルギーの改善につながると考えられています。完全に避け続けることは、安全なようでいて、食べられるようになる機会を先送りしている面もあるのです。
自宅で試すのはおすすめできません
「じゃあ、家で少し食べさせてみようかな」そう思われるかもしれませんが、自己判断での試し食べはおすすめできません。
理由は明確です。
- 症状が出たとき、すぐに対応できない
- どのくらいの量から始めればよいか判断が難しい
- 少量でも強い症状が出る可能性がある
- 「大丈夫だった」の判断基準があいまいになる
不安を抱えながら自宅で試すより、医師が見ている環境で確かめるほうが、はるかに安全で確実です。
食物経口負荷試験という選択
食物経口負荷試験は、医師の管理のもとで実際に少量から食べ、症状が出るかどうかを確認する検査です。
この検査でわかること
- 本当にアレルギーがあるのか
- どのくらいの量なら安全に食べられるのか
- 加熱・加工したものなら食べられるのか
結果によって、その後の食生活が大きく変わります。「完全除去」から「この量までは食べてよい」に変われば、給食の選択肢も、家族での食事も、ぐっと広がります。
当院での実施体制
- 0歳から実施可能です
- 保険診療で受けられます
- 東京都の小児医療証(マル子)をお持ちのお子さんは自己負担なし
- アレルギー専門医が直接対応します
- エピペン・緊急薬を常備した環境で行います
「怖い検査ではないか」と心配される方も多いのですが、少量から慎重に進めます。詳しくは食物負荷試験って怖くない?の記事をご覧ください。
まずは相談だけでも構いません
「いきなり負荷試験を受けるのはハードルが高い」と感じる方もいらっしゃると思います。
当院では、まず外来で以下を確認します。
STEP 1|これまでの経過を伺う いつ、どんな検査を受けたか。症状が出たことがあるか。現在どの範囲まで除去しているか。
STEP 2|必要に応じて検査を行う 最新の状態を確認するため、血液検査を行うことがあります。
STEP 3|負荷試験を行うか一緒に決める 今の状態で試験を行うのが適切か、もう少し待つべきかを判断します。すぐに検査を受けなければいけないわけではありません。
「検査を受けるかどうか決めていないけれど、相談したい」という段階で構いません。むしろ、そこから始める方がほとんどです。
こんな方はご相談ください
- 血液検査で陽性と言われて以来、確かめていない
- 1年以上、同じ食物を除去し続けている
- 症状が出たことがないのに、念のため避けている
- 保育園・学校の給食で、本当に除去が必要か知りたい
- 他院で検査だけ受けて、その後の方針が決まっていない
- 家で試すのが怖くて、踏み出せない
除去を始めたときと、今のお子さんの状態は違うかもしれません。確かめてみる価値があります。
まとめ
食物アレルギーの管理で見落とされがちなのが、「除去をやめる時期を見極めること」です。始めるのは簡単でも、やめるには確認が必要です。そして、その確認をしないまま何年も過ぎてしまうことが、実はとても多いのです。
「そういえば、ずっと除去したままだった」と思い当たる方は、葛西・西葛西・江戸川区のカーサファミリークリニックにご相談ください。南葛西・清新町・中葛西エリアからもご来院いただいています。
📌 カーサファミリークリニックでは、0歳から食物経口負荷試験を保険診療で実施しています。「除去を続けているが、確かめたい」というご相談を承っています。
カーサファミリークリニック 小児科・アレルギー科|葛西・西葛西(江戸川区)
📍 東京都江戸川区西葛西8丁目18-18(葛西防災公園北隣) 🚌 西葛西駅からバス7分・徒歩17分 🚗 駐車場4台あり
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参考文献
- 食物アレルギー診療ガイドライン2021
- 食物アレルギーの栄養食事指導の手引き2022
本記事の内容は一般的な医学情報の提供を目的としており、個別の診断・治療を行うものではありません。食物の除去・解除については必ず医師にご相談ください。
この記事を書いた人
三浦 陽子|カーサファミリークリニック 副院長
小児科専門医・指導医・アレルギー専門医・医学博士
国立病院機構相模原病院にて8年間、小児アレルギーの診療・研究に従事。
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