おむつかぶれが治らない…カンジダ皮膚炎?!|市販薬で悪化する理由
「おしりが赤くて、市販の薬を塗っているけれど治らない」「よくなったと思ったら、また繰り返す」「病院に行くほどのことなのか迷っている」
おむつかぶれは、赤ちゃんのほとんどが一度は経験する身近な皮膚トラブルです。多くはおむつ交換の工夫とスキンケアで改善しますが、「ケアをしているのに治らない」場合には、別の原因が隠れていることがあります。
とくに注意が必要なのが、カビの一種による皮膚カンジダ症です。見た目が似ているため混同されやすいのですが、治療がまったく異なり、市販のステロイドを塗ると悪化することがあります。
今回は、おむつかぶれの正しいケアと、カンジダとの見分け方、受診の目安について解説します。
おむつかぶれはなぜ起こるのか
赤ちゃんの皮膚は大人に比べて薄く、バリア機能が未熟です。そこに以下の刺激が重なることで炎症が起こります。
- 尿や便による刺激(とくに下痢のときは悪化しやすい)
- 蒸れ(おむつの中は高温多湿になりやすい)
- 摩擦(おしりふきでこする・おむつがこすれる)
つまり、おむつかぶれは「不潔だから起こる」わけではありません。清潔にしていても、条件が重なれば誰にでも起こります。
まず家庭でできるケア
軽いおむつかぶれであれば、以下のケアで改善することが多くあります。
① おむつ交換は「メリハリ」が大切
「とにかく頻繁に替えなければ」と思われがちですが、実はそこまで神経質になる必要はありません。近年の紙おむつは吸収力・通気性が大きく向上しており、尿を吸収しても肌に触れる面はドライに保たれるよう設計されています。大切なのは、状況に応じたメリハリです。
便が出たときは、すぐに交換しましょう。便に含まれる消化酵素は尿よりもはるかに皮膚への刺激が強く、おむつかぶれの最大の原因になります。とくに下痢のときは注意が必要です。
尿だけのときは、毎回すぐでなくても構いません。ただし長時間そのままにするのは避け、2〜3時間を目安に確認しましょう。参考までに、交換回数の目安は新生児期で1日10〜13回、生後4ヶ月頃からは1日6〜8回程度と、成長とともに減っていきます。
すでにかぶれているときは、いつもより頻繁に交換してください。肌が荒れている間は、刺激を最小限にすることが治りを早めます。
② こすらず、やさしく洗う
汚れが軽いときは、シャワーでぬるま湯をかけて流します。便が付いている場合は、ベビー用石けんをよく泡立てて、手でなでるようにやさしく洗ってください。おしりふきで強くこするのは避けましょう。
③ しっかり乾かしてから、保護剤を塗る
濡れたままおむつをつけると蒸れが悪化します。水分をやさしく押さえて拭き取り、乾いてから保護剤を塗ります。塗るときは「薄く伸ばす」より「こすらず、たっぷり、のせるように」塗りましょう。これらのケアをしても改善しない・悪化する場合は、受診をおすすめします。
カンジダかもしれないサイン
おむつの中は温かく湿っているため、カンジダ(カビの一種)が増えやすい環境です。普通のおむつかぶれとは治療が異なるため、見分けることが重要です。
以下の特徴があれば、カンジダを疑います。
| 見分けるポイント | 普通のおむつかぶれ | 皮膚カンジダ症 |
|---|---|---|
| しわの奥 | 赤くなりにくい | しわの奥まで赤い |
| 赤みの境界 | ぼんやりしている | はっきりしている |
| 周囲の状態 | 特徴的な変化は少ない | 周りに小さなブツブツが散る |
| 経過 | ケアで数日〜1週間で改善 | ケアをしても改善しない・広がる |
とくに「しわの奥まで赤い」「赤みの外側に小さな発疹が増えていく」「数日ケアしても広がる」という場合は、早めの受診をおすすめします。
なお、お口の中に白い苔のようなものが付いている場合(鵞口瘡)も、同じカンジダによるものです。気づいたら受診時にお伝えください。
市販薬を塗り続けると悪化することがあります
カンジダに、ステロイドを塗ると悪化することがあります。
ステロイドは炎症を抑える薬ですが、同時に皮膚の免疫の働きを抑えるため、カビが増えやすい状態を作ってしまいます。「おむつかぶれだと思って市販のステロイド軟膏を塗り続けていたら、どんどん広がってしまった」というケースは実際によくあります。
また、市販されている「ステロイド+抗真菌薬の配合クリーム」も、赤ちゃんのおむつ部位にはステロイドの強さが適切でないことが多く、おすすめできません。おむつの中は密封状態に近く、薬が吸収されやすいためです。
だからこそ、治らないおむつかぶれは自己判断で薬を塗り続けず、一度診察を受けていただきたいです。原因が違えば、必要な薬も変わります。
当院で処方する薬について
診察の結果に応じて、以下のような薬を使い分けます。
亜鉛華軟膏
皮膚を保護する膜を作り、尿や便の刺激から守ります。加えて、滲出液(ジュクジュクした液)を吸収して皮膚を乾かす作用があるため、じゅくじゅくしているおむつかぶれに適しています。ワセリンよりも保護力が高いのが特徴です。塗るときは「こすらず、たっぷり、のせるように」塗りましょう。
抗真菌薬
カンジダと判断した場合に使用します。カビそのものに作用する薬で、ステロイドでは治りません。多くは2週間以内に改善しますが、見た目がきれいになっても菌が残っていることがあるため、指示された期間は塗り続けてください。
ステロイド外用薬
炎症が強い場合に、弱いものを短期間使用することがあります。おむつ部位は薬が吸収されやすいため、強さと期間の管理が必要です。
いずれの薬を使う場合も、便が出たらすぐに交換する・やさしく洗うという基本のケアは続けてください。土台のケアなしに薬だけでは治りにくくなります。
受診の目安
早めに受診をおすすめします
- 数日ケアをしても改善しない
- 赤みが広がってきている
- しわの奥まで赤い
- 赤みの周りに小さなブツブツがある
- ジュクジュクしている・皮がむけている
- 市販薬を塗っているのに治らない
- 繰り返している
- 痛がって機嫌が悪い・オムツ替えを嫌がる
「このくらいで受診していいのかな」と迷われる方も多いのですが、おむつかぶれは小児科で日常的に診療している症状です。遠慮なくご相談ください。とくに、市販薬を長く使っても治らない場合は、原因が違う可能性があります。早めに正しい治療に切り替えたほうが、結果的に早く治ります。
繰り返さないための予防
改善した後も、以下を続けることで再発を防げます。
- 便が出たらすぐに交換す
- 交換のたびに保護剤(亜鉛華軟膏など)を塗る
- おしりふきでこすらない
- 下痢のときはとくに注意する
- おむつのサイズが合っているか確認する
とくに下痢が続いているときは皮膚への刺激が強く、おむつかぶれが起こりやすくなります。胃腸炎の後などは、意識してケアを強化しましょう。
まとめ
おむつかぶれは身近な症状ですが、「治らない」「繰り返す」場合には、カンジダなど別の原因が隠れていることがあります。自己判断で市販薬を塗り続けると、かえって悪化することがあるという点を、ぜひ知っておいてください。
「なかなか治らない」「これで合っているのか不安」という場合は、葛西・西葛西・江戸川区のカーサファミリークリニックにお気軽にご相談ください。南葛西・清新町・中葛西エリアからもご来院いただいています。
📌 カーサファミリークリニックでは、おむつかぶれ・皮膚カンジダ症の診察と治療を行っています。乳児湿疹・アトピー性皮膚炎のご相談も承っています。
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本記事の内容は一般的な医学情報の提供を目的としており、個別の診断・治療を行うものではありません。症状が続く場合は必ず医師にご相談ください。
この記事を書いた人
三浦 陽子|カーサファミリークリニック 副院長
小児科専門医・指導医・アレルギー専門医・医学博士
国立病院機構相模原病院にて8年間、小児アレルギーの診療・研究に従事。
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