動悸を感じやすい人の体質や特徴とは?
動悸を感じやすい人と感じにくい人の違い
季節を問わず、「動悸(どうき)が気になる」という理由で当院を受診される方は多くいらっしゃいます。
一方で、健康診断の心電図で不整脈を指摘されても「まったく動悸を感じない」という方もいます。
実はこれは、心臓の異常の有無だけではなく、動悸を感じやすいかどうかという体質や神経の感受性の違いも関係しています。
動悸を感じやすい人の特徴
① 性別・年齢・ホルモンの影響
動悸は女性に多く、特に更年期前後の女性ではよく見られます。
ある調査では、動悸を主訴に受診された方の約7割が女性という報告もあります。これは、女性ホルモンの変化が自律神経や心拍に影響するためと考えられています。
また、更年期はちょうど不整脈が出てくる年齢層とも重なります。
つまり、「動悸を感じているだけなのか」「実際に不整脈が起きているのか」は、自分では区別がつかないことも多いのです。
さらに、年齢によっても感じ方に違いがあります。
若い方は1回の脈が飛ぶ感じでも強い違和感を覚えますが、高齢の方では心房細動のような不整脈があってもまったく自覚がない場合もあります。
これは、加齢とともに体の感受性が変化するためです。
② 心の状態や性格の影響
動悸は心の状態とも深く関係しています。特に不安を感じやすい人やパニック傾向のある人は、動悸を強く自覚しやすい傾向があります。
実際、動悸で来院される方の約3割がパニック障害の既往を持つといわれています。
また、もともと感受性が高く、体のちょっとした変化に敏感なタイプの方(いわゆるHSP気質の方など)も、心臓の鼓動の変化を感じやすい傾向があります。
③ 自律神経の反応性
「ストレスを感じるとすぐ心臓がドキドキする」そんな方は、自律神経が過敏に反応している可能性があります。
自律神経は、体を活動モードにする「交感神経」と、リラックスさせる「副交感神経」のバランスで成り立っています。
このバランスが乱れると、動悸や息苦しさ、立ちくらみなどの症状が出やすくなります。
特にストレス・疲労・睡眠不足などが続くと、このバランスが崩れやすくなるため注意が必要です。
動悸と関係する病気
● 不整脈
動悸を感じるとき、最もよく見られるのが心臓のリズムの乱れ(不整脈)です。
「期外収縮」という一時的な脈の飛びは多くの場合は心配ありませんが、「心房細動」「上室性頻拍」などの場合は、放置すると脳梗塞などのリスクが上がることもあります。
動悸の出方・持続時間・脈の速さや不規則さなどで病気が異なりますので、医師の診察による確認が大切です。
● 不安障害・パニック障害
パニック発作では「突然の激しい動悸」「息苦しさ」「めまい」が特徴的です。
これは、不整脈ではなく自律神経と呼吸の過剰反応(過換気)が原因のことも多いです。
心臓の病気がないと診断されても、動悸がつらい場合には投薬でのサポートも有効です。
● 更年期障害・自律神経失調症
更年期では女性ホルモンが急に減少することで、自律神経の働きが不安定になりやすくなります。そのため、ホットフラッシュと動悸が同時に起こることもよくあります。
また、自律神経失調症では交感神経が優位になりすぎて、安静時にもドキドキすることがあります。
● 胃腸障害・低血糖
胃の不調や低血糖も動悸の原因になることがあります。たとえば、胃の張りやガスが心臓を圧迫して動悸を誘発することもあります。
また、空腹時に血糖値が下がると、アドレナリンが出て心拍数が上がるため、手の震えや冷や汗、動悸を感じることがあります。
まとめ
動悸は、心臓の病気だけでなく、「ホルモン」「自律神経」「ストレス」「胃腸」などさまざまな要因と関係しています。特に、感じやすい人・感じにくい人がいるのは、体や神経の感受性の違いによるものです。
もし動悸が続いたり、脈が速い・乱れる感じがしたりする場合は、当院で心電図や24時間ホルター心電図、心臓超音波などを行うことで原因を調べることができます。
動悸を感じたときの様子(いつ、どんな時に、どれくらい続いたか、脈が乱れているのか、早いのか、脈が強いのかなど)をメモしておくと、診断にとても役立ちますので来院される場合は、是非お伝えください。
この記事を書いた人
三浦 光太郎|カーサファミリークリニック 院長
循環器専門医・総合内科専門医・医学博士
