アレルギー性鼻炎(ダニアレルギー・花粉症)
アレルギー性鼻炎・花粉症とは
アレルギー性鼻炎とは、アレルゲン(アレルギーの原因となるもの)により鼻水・鼻詰まり・くしゃみが出る状態です。
主に、一年中症状が続きやすい「通年性アレルギー性鼻炎(ダニアレルギー)」と、特定の季節(春・秋など)に症状が現れる「季節性アレルギー性鼻炎(花粉症)」があります。
診断
① 症状の経過を問診で確認
② 血液検査(皮膚テスト)をして診断
血液検査をすることで、
- 鼻炎の原因を明確にできる
- 環境対策ができる
- 適切な治療(舌下免疫療法)ができる
といったメリットがあります。
治療
1. アレルゲンの除去(環境対策)
治療の基本は、アレルゲンを避けることです。
通年性アレルギー性鼻炎の場合は、こまめな掃除・日光干しでダニを減らす、ダニを通しにくい布団カバーを使用するなどの環境対策が可能です。季節性アレルギー性鼻炎の場合には、花粉の飛散時期にマスクやゴーグルを着用、帰宅後の早めの入浴など、室内に花粉を持ち込まない工夫をしましょう。
しかし、日本はスギ・ダニが多く存在する環境であり、環境対策だけで症状を緩和することは難しいです。
2. 薬による治療
症状がある場合には薬による治療が必要です。症状が慢性的になることで、お子さんは中耳炎、成人でも副鼻腔炎になることがあります。また、鼻炎症状により集中力の低下・睡眠の質の低下など、日常生活に支障をきたします。
治療には、鼻水を抑える抗ヒスタミン薬、鼻づまりを改善するロイコトリエン受容体拮抗薬、鼻の炎症を抑える点鼻ステロイド薬などを使用します。結膜炎症状を認める場合には、抗ヒスタミン作用のある点眼薬を使用します。
飲み薬(抗ヒスタミン薬)の種類によっては眠くなることがあるため、医師と相談しながら治療を進めましょう。
3. 注射薬による治療(1月〜4月)
内服や点鼻・点眼薬を使用しても症状が改善しない中等症以上の花粉症の方には、注射(ゾレア®︎)による治療の適応があります。
ゾレアは、IgE抗体というアレルギーの引き金となる物をブロックするため、アレルギー反応を起きにくくしてくれます。ですので、治療中はアレルギーが起こりにくい状態になります。
対象となる方
ゾレアはすべてのアレルギー性鼻炎の方に使えるわけではありません。中等症〜重症の季節性アレルギー性鼻炎で、以下の条件をすべて満たす方が対象になります。
12歳以上、かつ体重が20~150kg
スギ特異的IgE抗体価がクラス3以上、かつ総IgE値が30~1500IU/mL
抗ヒスタミン薬・ステロイド点鼻薬などの標準治療を行っても十分な効果が得られない
※ ゾレアは気管支喘息や慢性蕁麻疹にも使われる薬ですが、アレルギー性鼻炎での使用には上記の条件が必要です。
ただし、ゾレアは症状を抑える治療であり、根本的な治療ではありません。また、費用が高額になる傾向があります。
最近では、中等症以上の花粉症・ダニアレルギーの方に対して、根本的治癒を目指すことができる舌下免疫療法を行うことができます。
舌下免疫療法について
舌下免疫療法は、抗ヒスタミン薬やステロイド点鼻薬を使用しても症状が改善しない方、症状が中等症以上の方(主に5歳以上)に行う治療法です。ダニアレルギ・スギ花粉症の唯一の根治的な治療です。
使用する薬剤
- スギ花粉症:シダキュア®︎
- ダニアレルギー:ミティキュア®︎
治療を続けることで、約7割の方に鼻炎の改善が見られる(他の内服薬や点鼻薬を使わずに過ごすことができる)と言われています。
また、ミティキュアに関しては、気管支喘息に対する治療効果もあります。
治療の流れ
- 初回投与は、アレルギー症状が出ないか確認するため、院内で20~30分程度の経過観察を行います。
- 自宅での服用方法
- 毎日、薬を舌の裏側に入れ、1分間保持します。
- その後、5分間は飲食をやめましょう。
- 1~2時間は激しい運動や入浴を避けるようにしましょう。
継続することで効果が期待できる治療のため、最低3年間の継続が推奨されています。
シダキュアに関しては、スギ花粉の飛散時期(1月〜4月)に開始することができません。
舌下免疫療法を行う際の注意点
